高齢化社会 2020 2 15

「足が悪くなると、人生も終わりか」
 多くの人は、そのような場合は、
車いすを使えばよいと考えるでしょうが、
現実は、厳しいのです。
 健常者が歩いていると全く気づかないが、
車いすを自力でこぐと、
「ここは坂道だった」と気づく場所は多いのです。
 一方、健常者が坂道だと認識するような場所は、
車いすには、かなり厳しいというか、無理な場所と言えるでしょう。
 また、幅が広い歩道も、意外にも難所と言えるでしょう。
このような歩道は、道路の方向に、ゆるやかな傾斜があります。
 なぜ、ゆるやかな傾斜があるかというと、
歩道を完全に平らにしてしまうと、雨の時、水が溜まってしまうからです。
 しかし、このような歩道では、
車いすにとっては、まっすぐ行こうと、車いすをこいでいるのに、
自然に車道側に吸い寄せられてしまうのです。
そうならないために、両腕で微妙に力の入れ方を調整する必要があります。
 坂道にしても、ゆるやかな傾斜にしても、
車いす利用者に「腕力」があれば、解決するでしょう。
 しかし、高齢者は、腕力も衰えています。
こうして、外出する時は、車いすを押す介助者が必要となりますが、
出掛けたい時に、都合よく介助者を確保することは難しいでしょう。
その結果、外出がおっくうになり、自宅にいることが多くなるでしょう。
 話は戻りますが、建物のバリアフリーと称して、
多くの建物の入り口には、スロープが設置されていますが、
健常者が坂道だと認識するような傾斜は、
車いすにとっては、急傾斜のようなものです。
 介助者が車いすを押すならば、スロープは問題ありませんが、
自力で車いすをこぐとなると、スロープの傾斜角度は厳しいのです。
(もちろん、車いす利用者に、腕力があれば問題ありません)
 世の中、バリアフリー社会が普及したと言われますが、
現実には、介助者がいることを前提にしたバリアフリー社会と言えるでしょう。















































































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